新入社員の思い出

この春から社会人になった青年と家族みんなで食事をする機会がありました。写真を撮るのがとても上手なお兄さん、さっそく娘のプチ撮影会をお願いしたところ、快く撮ってくれました☆どうもありがとう!


他にもたくさんあるのですが、特にお気に入りの1枚をアップ♪

毎年この時期になると、新入社員のビックリ行動とか、常識知らず、など必ずといっていいほど批判めいた記事がネット媒体に掲載されるのを見かけます。もちろん、私が新入社員のときもありましたし、そう思われて当然の行為をとってたと思います。そういう記事を見ると、いつも思い出すのが就職した会社で新入社員のお世話係をしてくれていた部長さんの温かな言葉でした。

新卒だけの人事研修が終わり(このころはまだ完全に学生気分)、いざ会社で新たなOJTの始まりの日、社員の前にずらりと並ばされ、緊張している私達。そんな緊張をほぐすかのように部長さんは言いました。

「新卒は『何も知らなくて当たり前、何もできなくて当たり前』なんです。どうか皆さん、温かい目で見守って指導してあげて下さい」

部長さんはこの日の言葉だけでなく、日々の業務でも新卒の営業社員が商品について得意先からクレームを受けると、一緒に菓子折りを持って謝りに行ってくれたり、電話で真摯に謝罪をしたりと、常に仕事のあり方を先頭に立ち、態度で示していました。業務外では温厚でありながら快活で、お話しやすかったです。

その会社は当時新しい業種で、社長も社員の平均年齢も随分若く、とにかく勢いでなんとか伸びてる会社でした。でも、そればかりではいけない、と思ってる社長が彼の人脈で、一部上場企業の総合商社から退職した人をスカウト、わりと自由なポジションの部長に据え、新卒のお世話係をお願いしていたのでした。

会社にもよると思いますが、働き盛りのいわゆる中間管理職が人事や育成を担当する場合、業務や責任、調整がとにかく多くて余裕がなさそうだし、新卒と年が近い若手の社員も親しみやすいという利点はあるが、なめられてしまったり、経験不足で指導が難しかったり、という問題があるかな、と。なので、仕事量も時間も余裕があり、かつ経験豊富な部長さんレベルは新卒のお世話係にドンピシャだったのです。

人材育成はお金も労力も気力もかかり本当に大変な仕事だと思います。そこに投資をする余裕のある企業は、アウトソースするつもりで、外部から部長さんレベルの人を引っ張ってくるのはアリなんじゃないですかねえ。経験豊富で年齢もかなり離れてるから、新入社員が宇宙人みたいでわからん、と嘆く間もまく「LINEって何だよ?どこにそんな線がひいてあるんだ?」と一蹴したり「仕事ってのはな〜」と寅さんのような温かさで諭してくれそう。(と妄想)

話は戻り、こんな優しい部長さんに導かれつつ、OJTではそれはそれは恐ろしいお局さんから毎日のように怒られる毎日が続いたのでありますが、今となっては懐かしい思い出です。その後は転職を繰り返し、中途採用は即戦力を求められますんで、「知らなくてもとにかくやってみろ、忙しいからそっちに全部任せたぜ〜」的な職場ばかりでエライ鍛えられ、おかげで図太くなりましたわ。

最後にどーでもいい話ですが、新入社員のころ、とにかくバンバン電話とりをさせられまして(1日100件近く)、「株式会社 田中の田中と申しますが」と電話口で聞いたとたん「田中の田中さんだって〜!!」と妙にツボに入り、電話を切ったあと大爆笑し、さらに隣の席の新卒女子達にシェアしたら、彼女らも大爆笑。それを見ていた女性の上司が「どうしてそんなことがおもしろいのかしら」と呆れてました。

はい、今思い出しても何がおもしろいのかサッパリわかりません(笑)若かったのね〜。